シンドラーのリスト

ヘル・オスカー・シンドラー。
チェコ生まれのドイツ人にしてナチ党員。女遊びにも手を出す金目当ての山師。「事業を起こすたびに失敗していた私に欠けていたのは、戦争だった」とうそぶいていた男が、いかにして1200人ものユダヤ人の命を救ったのか。

【 Schindler's List 】
監督:スティーヴン・スピルバーグ 1993年・米
原作:トーマス・ケネアリー  脚本:スティーヴン・ザイリアン
撮影:ヤヌス・カミンスキー 音楽:ジョン・ウィリアムス
出演:リーアム・ニーソン、ベン・キングズレー、ラルフ・ファインズ、キャロライン・グッドール

シンドラーのリスト物語の転回点は、ゲットー解体の場面だ。殺戮と破壊が横行する。凄惨きわまりないその光景を、シンドラー(ニーソン)は丘の上から目撃する。

シンドラーと対比される形で、収容所所長(ファインズ)が配置される。自室のベランダから気ままにユダヤ人を射殺する悪魔のような男だ。心秘かに惹かれるユダヤ人メイドとの挿話がある。湧き上がる情欲と禁止の間で葛藤するが、最後には暴力に身を委ねてしまう。その時、シンドラーは誕生日を祝いに来たユダヤ人の少女に臆することなくキスをしている、そのカットバックでの見せ方。

これがナチズムの深層心理だと云うのだろうか。

ユダヤ人少女にキスをした罪で逮捕された彼は釈放されたあと(灰が降る町)、死体焼却所に行く。例によって、ユダヤ人迫害の描写は詳細をきわめ、いちいち背筋が凍る。白黒画面に一人だけ赤い服を着た少女の遺体が運ばれてくる。ゲットー解体の場面で、家族とはぐれてさまよっていた少女だ(L・S)。この赤がシンドラーの内面の変化を象徴するのだろう。これは映画の作為である。収容所長にこの赤は見えなかった。映画に対する評価の分かれ目になろう。蓄財をすべて投げ打ってまで、ユダヤ人の救出に命を賭けた男が聖人めく。

スピルバーグの力技がハリウッド一流の作劇術とヒューマニズムに収めたホロコースト。そして、あのラストシーン。

シンドラーの真意は、今もって謎だと云う。

予告編

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posted by ken | Comment (2) | TrackBack (0) | 戦争
この記事へのコメント
「シンドラーのリスト」の最後のシーン。シンドラーに本当に助けられた実際の人達と、映画でその人を演じる俳優達とが手をつないで、シンドラーの墓石の上に石を乗せていきます(こんなにも助けられた人がいるのか、とジーンときます)。その一番最後に墓石に、姿はみせずにバラを捧げる人物がいますが、この人はリーアム・ニーソンなのでしょうか。この人物らしき人がシンドラーの墓石の前にたってるシーンでこの映画は終わりますが。
Posted by プライベート・ライアン at 2006年06月24日 23:31
ライアンさん、コメントどもです。
このラストシーンは話題になりましたね。ごめんなさい、最後の人物がリーアム・ニーソンだったかは記憶が定かでないです。
Posted by ken at 2006年06月30日 13:54
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